花蓮【完結】
その後ろから。


「おーい!」


バイクに乗って、こちらに手を振ってくるのは

「皆ーーーー!」

麻美さんだった。


「おー麻美ー」

「おっせーぞ」

皆が口々に言うのを、呆けた顔で私は見つめた。


やっぱり、レディースとかだと暴走族とも親交あんのなー。
妙に納得しながら、輪になる先輩達を見つめる。

それに、都が肘をツンツンとしながら

「総神の総長と知り合うって凄くない?」

そう小声で私に言って来た。


確かに。

知り合いがいなきゃ、出会う事なんてないだろう。


「ちなみに信司は佐緒里にゾッコンな」


その会話を聞いていたであろう、朱美さんがニヤっと笑いながら私達を見て言った。


「え、まじすか」

都が目を真ん丸にしながら、聞き返すのを朱美さんは

「おお、まじだまじ。多分その内付き合うぜ」

とカラっと笑いながら断言した。


その、信司さんと佐緒里さんを見る。
確かにお似合いっちゃーお似合いか。


ふと、私はその隣にいる麻美さんと拓斗さんに視線をうつした。
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