花蓮【完結】
ねえ、哲こそ。
なんなの?
あたしの心をかき乱そうとする人、初めてだよ…?
「帰ろっか。風邪引くよね。…くしゅん!」
「哲のが引きそうだね」
「ふは、ほんとに。送るね」
「…ありがと」
「……うん」
ぐしゃぐしゃとあたしの髪の毛を弄ったと思ったら、その手はそのまま下に降りてあたしの手に触れた。
大きな、ごつごつした男の手があたしの手を包む。
振り払うことなんて簡単だったのに。
それが出来なかったのは、きっと、あんな告白の後だからだと。
必死に。
必死に自分に言い聞かせたんだ。
何もかもを押し込めて。
必死に。