花蓮【完結】
車内で何を話したかは覚えていない。


あたしの頭の中の意識はずっと、さっきの告白をリピートしてて。




きっと、上の空だったと思う。



ああ、うん、としか言わないあたしをどこか不思議そうに眺めながらも、やっぱり哲は何も言わなかった。





哲の家に車が止まる。


哲は少し上を見上げると、軽く頷いた。


それの意味がわからず哲を見つめると、気付いた哲がわけを話してくれた。





「電気消えてるから出かけたっぽい。あいつのバイクもないし」


「ああ、じゃあ家に入れるんだ」


「よかったー」


「はは、あたしどーしよーかなー」


「は?」


「え?」


「え、じゃなくて、どーしようかなって帰らないの?」


「ああ、えーと、あー」


「……家に帰りたくない理由でもあんの?」


「……」




哲は少し黙った後、何かを閃いたかのようにあたしに話す。





「じゃあ!俺の家いればいーじゃん」
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