二重人格神様
「どうしてか…そうだなぁ…」
「海鈴さんは、優しいから皆を花嫁にしてくれるって言ってましたよ」
「はは、ルーテルがかい?」
「…はい」
「そうだね、基本的に来るものは拒まないよ。だから花嫁候補が沢山いるんだけど」
横目で私をみあげ、海鈴さんはフッと笑顔を浮かべる
「ですから、笑い事じゃなくてですね…その候補の中から本物の花嫁を選ばないんですか?皆さん綺麗で優しいじゃないですか」
「んー…」
「特にルーテルさんとか…海鈴さんのこと、大好きって感じましたよ」
「はは、そうだね。彼女達は僕を慕ってくれてるね」
そう言うと、自分の銀色の髪の毛をクルクルとさわる
「だけど、僕は彼女達を好きじゃないから」
「それなら、花嫁にしておくの…可哀想ですよ。私は…事情があるので…あれですが…」
「そうだね、だらしない僕が悪いよ…てか、そんな色気のない話しはもうやめないかい?」
「…え?」
「花嫁が何人いても、僕は君を守るし、悪いようにしない。人間界に帰る君には関係ないだろう?あぁ、もしかして僕のこと好きになったとか?」
「………」
うつ伏せのまま私に手を伸ばし、髪の毛をいじりながら色っぽい瞳で私をみつめる
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