二重人格神様




な、なにを言って…



「ありえませんから、出会って何日もたってません!」


海鈴さんの手を振り払い、少し距離をおくと何がおかしいのかクスクスと笑いだす



「あはは…好きになるのに時間なんか関係ない」

「…え」


ギシッとベッドが軋む音が響くと、そのままの首に手が回り背後から抱きしめられる


ちょっ、なにをして…


「…っ」


背中に感じる海鈴さんの熱とサラッと体に触れる髪の毛と水の香りに


胸が高鳴り、顔が赤くなっていく


「いのり」


「…ぅ」


「好きになってもいいよ。君なら本物の花嫁にしてあげてもいい。どうかな?」


どうかなって…


「冗談は、やめて…は、離してくださいよっ」


「どうして?ドキドキしちゃうから?」


「そ、それもありますし…わ、私は…帰り、たいんですっ」


「えー、いやだ」


子供っぽい言葉を放ちそのまま、肩に顔をうめ海鈴さんは唸る


「…ん~」


「……っ」


う、唸らないでよっ


息が首筋に当たり、くすぐったいのに



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