二重人格神様





「でも、それならわざわざ抱きしめなくても…一応、男な訳だし…」


「仕方がないですよ。海鈴様は寂しがりやですから」


「だから、温もりが欲しいと?」


「はい」


「じゃあ、今度抱き枕でも作ろうかな」



それなら、毎日抱きしめられなくてすむ


なんていい考えなんだろう…うん



アレスに貰ったお茶を飲み、そう言うとアレス考えるように顎を触る



「海鈴様に、それは効きませんよ」


「え、なんで?」


「海鈴様は、少しひねくれものですから」


ひねくれものって…


「ふふ、主様のこと、そんな風に言っていいの?聞かれたら怒られちゃうよ?」


「大丈夫です。フェイ様も言っているので」


「そうなの?穏やかで優しくて、寂しがり屋に、たまに強引のひねくれものって…ちょっと、めんどくさいね」



小声でアレスに近付き言うと、彼も口元をあげ笑いながら頷く


「はい、そうですね」



「ふふ」


アレスってば、面白いんだから



こんな会話、絶対に聞かれたら、まずいけど



.



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