二重人格神様





「アレス、ごめんっ」


「…!」



手を思いきり、振り払い一瞬の隙をみてアレスから離れる


「いのり様…」


「ごめんなさい。でも、ほっとけない」


「……」


だって…あのグレン君…まるで、お母さんを亡くした頃の私に似ているから


悲しくて、辛いけれど…泣いちゃいけない、でも、涙が溢れて来たあの頃のわたし…


痛いくらい分かる…苦しくて仕方がない


「お願い…アレス」


「いのり様」


彼の手を握り、瞬き一つしないでアレスを見つめると、彼は数秒間黙りこみ、深いため息をはく



「はぁっ…分かりました…いのり様」


「アレス!」

「ですが…」

「……?」


「海鈴様、あまり逆撫でしないように」


え?

「どうゆう意味ですか?」


「いえ、とにかく…逆撫でしないようにお願いします」


「わ、わかりました。よく分からないですけど…はい」



アレスに向かって頷くと、不安なのか視線を落とし渋々彼も頷く



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