二重人格神様





―――――――…
―――――…









「小鳥ちゃん、いつまでもそんな暗い顔をしていると女が下がるわよ?」

「………」


「昨日のことは、仕方がなかったんだから…そんなに落ち込んでちゃだーめ」


「…でも…」



翌日、あれから私はアレスに連れられ海鈴さんの部屋で長い夜を一人で過ごた


案の定、海鈴さんのことが心配で、帰って来ないことが、不安でなかなか眠れなく結局、気づけば朝になっていたのだ。




そして、ちょうど着替えた所にフェイランさんが朝食を持って来てくれたのだけれど


海鈴さんが心配で、お茶を飲むのが精一杯だった



「…はぁっ」


「小鳥ちゃん…」


ため息をはき、紅茶をのむとフェイランさんは目を細め私に心配してくれる視線を送る


実はフェイランさんは、夜に起こった出来事を知っていた


アレスが話したのだろう



だから、部屋にはいり死んだような目をした私を見て全てを察したのか



ずっと、こうやってイヤな顔をすることなく励ましてくれていた



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