二重人格神様
「僕には、分かるんだっ!」
「……あ」
「分かるんだっ…」
「グレン君」
「僕は、大丈夫だよっ…もう、慣れてるんだもんっ…だけどね、いのりにそんな風に思われるのは、つらいよぉ」
「………」
「いのりは、僕の目を…綺麗って言ってくれた味方なんだもんっ」
「…っ」
グレン君……
もう、なんか、私が慰めに来たのに…立場が逆転しちゃってる…
「わかった。ありがとう、グレン君」
「そうだよっ!それでいいんだっ」
鼻で息をはきグレン君は私から離れると、深呼吸をしながら自ら私があげたシュシュを取りだし髪の毛を結ぶ
「ふう…なんか、僕…元気が出てきたよっ!」
「……」
ユラユラと結んだ髪を揺らし、グレン君は月を眺める
「僕…やっぱり、人間好き…優しいんだもんっ」
「……ん」
「兄様、神様はみる目ないけれど、人間の女の子をみる目はあるんだなっ」
「あ、ふふ」
神様は見る目がないって…
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