二重人格神様





「はは、即答か」


「っ」


「わかったよ。今日はもう、このまま一緒に寝よう。いや、今日はじゃない…これから、ずっと」


「…え?」


「僕のこと、鎖で繋いでおいて。いのりの傍にいるように。他の花嫁を抱かないようにね」


手を絡めるように握り海鈴さんは微笑む



「そうすれば、夜もアレスじゃなくて僕が守れる」


「…」


「四六時中繋いでもいいよ。今日から僕はいのりの物だから」


「…わたし、の?」


「そう。だから、不安にならなくていい。君の不安はすべて…取り除いてあげるから」


海鈴、さん…


「僕は、君の味方だ」


「…………」




愛の告白、そうとらえたくなるような台詞の数々


でも、海鈴さんは私のこと好きではない。特別とか、大切とか私のものとか言うけれど



好きとは言ってくれないから。


それでも、いいんだ。それでも、いい



だって、こんなにも嬉しいんだもん


醜い考えかもしれない、しれないけれど…ルーテルさん達より海鈴さんは私を見てくれるんだもん



言葉なんか、もういらない


「じゃあ…本当に繋いじゃないますから…ね」



「いいよ。今日から、僕はいのりのペットかな」


「…」


「僕は、忠実だよ」


「う…んっ」


知ってる。


なんか、また、また、もっと好きになりそう


ドキドキがまし、彼に近づき顔を埋めると海鈴さんはそっと毛布をかけ私を抱く




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