二重人格神様


「待ってよ!!」


「!!??」


そう、自分の声とは思えないほどの声で叫ぶと、次に私の視界に映ったのはいつもの海鈴さんの部屋で明るい朝日が私を照らしていた


「…え」


息は乱れていて、身体中に大量の汗をかいている


「はぁっ…はぁ」



あれ…ここって、海鈴さんの部屋?


さっきまでいた場所とは違いやけに現実味のある景色に茫然としながらあたりを見渡せば私を不安そうな瞳で見つめるアレスがいた

「…あ」


「だい、じょうぶ…ですか?いのり様」

「アレ…ス?」

「は、はい」

「……」




私に近づき頬を流れる汗を手で拭うとアレスはホッと肩を撫で下ろす

「随分とうなされていたので…無断で部屋にはいりました。悪い夢でも見ていましたか?」

「…」


悪い夢…あぁ…そうだ。やっぱり、夢だったんだ。

「うん…ごめん…ちょっとね…でも、大丈夫」



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