私を擽る声
「こないだ、痴漢にあって怖い思いしたの忘れた?」
「忘れてないよ。でも、まだ明るいうちに帰れるシフトだし、家にも歩いて帰れるんだし…そんなに痴漢に遭う確率なんて…」
慌てて言い訳がましい言葉を並べてみると彼は笑顔でむにゅーと私の両頬を抓る。
「もう、助けてあげないよ?」
ニコニコ、ニコニコ…凄く笑顔なのに声はいつもより低めで彼の怒りの度合いを示している。
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