年下の不良くん

急に顔を上げたかと思うと

「…今、また俺の事可愛いとか思っただろ」

今度は口を尖らして拗ねる

「あ、バレちゃった??」

「視線でバレバレ」

なんだ~、ちぇっ

「でも恥ずかしいとか言われたら、可愛いって思っちゃうよ~」

「男で可愛いとか、あんま嬉しくねぇし」

「あ、じゃあ、いつもかっこいいよ??」

これこそ普段、こっぱずかしくて言えないが、いつも私を守ってくれる彼はかっこいい

だけど、今のは“ついでに”って感じで、冗談ぽくなったけど

だってホント、恥ずかしいよね、こういうの

「ついでみたい言うな」

「ごめん、わっ!!」

ぎゅと抱きしめられ驚いた

翔くんは私の首に顔を埋めて、こう小さく呟いた

「…来ても良いけど、兄貴とあんまベタベタすんなよ」


彼の小さな嫉妬に胸がときめく

ふわふわの髪の毛を撫でて

「大丈夫だよ
私が大好きなのは翔くんだけだから」

どうして、この“好き”と言う気持ちは、上手く言葉に出来ないのだろうか??

それが出来たら、彼が不安になることはないのにね




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