年下の不良くん

「本日、りりか様をお呼びしたのは、大切なお話があったからでございます」

「…そのようですね」

じゃ無かったら、連絡なんて来ないはずだ

「その様に、頭の良いりりか様ならこれから私がお話する内容も、十分にご理解頂ける事だろうと存知あげます」

丁寧な物言いだが、私には小馬鹿にしたように聞こえた

「ご存知の通り、会長は大手産業会社のトップであります
その範囲は、今に止まる事を知りません
そんな会長が今、目を付けているのがベンチャービジネスでございます」

私の父親は彼の言った通り、ホテル企業から大きくなった、世の中の誰もが知っている大会社の社長だ

「…それと何が、私に関係があるのですか」

父親の仕事の話なんて、私には全くもって関係の無い話だ

「しかし、相手の会社が我が社と手を組むことを強く反発しているのです」

「………」

「ですが会長は、賢明なお方であられます
どの様にすれば、合併を出来るかお答えを出されました
…あ、そんな話をしていると着いてしまいましたね」

丁度良いところで話が途切れて、父が待つ会社に着いてしまった
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