年下の不良くん
第二十二章
早朝から起きて、翔くんへの最後のた朝食を作った
一度また寝室に戻って、最後に彼に会う
まだ朝方なので熟睡している翔くんに
「バイバイ、翔くん…」
そっとキスをした
テーブルの上に置き手紙を置き、荷物を持って静かに家を出る
篠原さんとは、駅前に6時に待ち合わせであった
時間を早くしたのは、彼と離れる事が名残惜し
くならない為に、だ
…どっちにしろ後ろ髪をひかれる思いは変わらないのだが…
駅まで道のりは、とても長く孤独でだった
今にも溢れ出しそうな涙は、何度も立ち止まってはグッとそれを堪えた
泣いてはいけない
この言葉をいったい、何度呟いた事だろうか──
「おはようございます」
駅前のベンチに、一人でぼーっと待っていると、後ろから声を掛けられて振り返る
「あ、篠原さん
おはようございます」
「お荷物、お持ちいたします」
私の手から荷物を持ってくれて、この間と同じ車に乗り込んだ