年下の不良くん
第三十三章

目覚ましの音で起きた私は、自室を出て下に下りたのだが

「こんなとこで寝たら風邪ひくよ??」

何時頃帰ってきていたのか、春樹はソファーにうつ伏せなり、死人のように寝ていた

毛布を持ってきて彼にかけ、寒くないようにとエアコンの温度を上げる


スースーと寝ている寝顔を見ると、相当疲れていたのだなと思った

なるべく静かに朝食を作っていると、春樹がムクリと起き上がり、寝ぼけ眼で私を見つめてきた

「あ、ごめんなさい
五月蝿かった??」

出来上がった朝食を置いていく

今日は、スクランブルエッグだ

「ううん、いい匂いがしたから
俺も一緒に食べてもいい??」

「もちろん!!
すぐに用意するから、待っててね
あ、その間に着替えてきたら??
今日は仕事はないの??」

お昼の関係もあるから、聞いておかなくちゃ

「うん、今日は休み
じゃあ、着替えてくるね」

「うん」

春樹は、私が一人で食事をせずに済むようにと、どれほど夜遅くに帰宅しても、いつも重い身体を起こし、一緒に食べてくれている

そんなさりげない優しさが、いつも心に染みる



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