年下の不良くん
第五十一章


「──うー、ん……」


ゴロンと寝返りを打とうとすると、何かに腰を固定されて身動きが出来ない


少し頭を上げると大好きな翔くんが、すーすーとリズミカルな寝息をたてて熟睡していているのだが…その割には腰をがっちりと掴んでいるなと思う


だけど、朝目覚めると愛しい人が隣で寝ているということが、こんなにも心を暖かくしてくれる


そう感じると愛しくなって、彼のふわふわの黒髪を撫でていると、翔くんの目がぱっちりと開いてびっくり



「起きてたの??」


「うん、りりかが起きる少し前に」


だから、腰をがっちりとホールド出来ていたのか


「ふふっ、どうして狸寝入りしてたの??」


「…もうちょいこうしてたかったから」


翔くんはぐっと腕に力をより強め体を密着させた為、あまりの彼の行為に私は自分の顔が熱くなるがわかる



「ちょ…!!
翔くん離してっ」



「無理」


そう言ってニヤリと含み笑いをして、私が顔を赤くして焦っているのを楽しんでいる


< 343 / 408 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop