年下の不良くん

「~~~…翔くんの馬鹿ぁー!!」


寝返りを打ってジタバタとしていると、やっと彼の魔の手から脱出できた私は、ベッドをすぐさま下りた


「もう知らないっ
朝ご飯作ってあげない!!」


そのまま寝室を出た私は、ソファーに座って柄にもなく拗ねていた


だって、最近の翔くんは妙に自分よりも大人に見えていた


年上の私よりもいつも余裕で、それに惑わされるのは決まって、私


別に見栄を貼りたいわけじゃないけど…少し私ばっかりって言うのが悔しいの…


今日はまさにそれが溜まり溜まっただけで、口では朝ご飯を作らないと言ったが、結局ソファーから立ち上がって、もう朝ご飯を二人分作り始めていた


「何やってるんだろ、私…」


格好が悪くなり謝りに行こうと寝室に入ると、翔くんはベッドの上でゴロゴロしていた


「りりか」


なまえを呼ばれてひきよせられるように私がベッドの脇に腰を下ろすと、彼は後ろから私を抱きしめて一緒にゴロンと横にさせる


「怒ってる??」


「…怒ってないよ…」


「良かった」




──この家に戻ってきて早くも1ヶ月が経った


数日まえに修学旅行も終えて、後はもう残すは受験のみ


あれから春樹とは会うことも、連絡をとりあうこともない


だけど私は、いつかまた何処かで会えるだろうと思っている

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