年下の不良くん
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これが初めてりりかの母、加奈子(カナコ)との出逢いであった
この出逢いがきっかけで私と加奈子は、急速に仲が良くなり、そして結果付き合うまでに発展した
だが付き合って数ヶ月した頃に彼女は突如、私の前から姿を消す
そして私は、この世の終わりかのような絶望感に襲われて、何をするにもやる気が起こらなかった
そんな時に父から見合いの話を持ち出されて、拒む暇も無く、俺は虚しく政略結婚をさせられる
だけど、加奈子の事は忘れられなかった
結婚相手の女はそんな俺を咎める事もせず、ただ優しい笑顔をくれ、それが余計に私を苦しくさせた
“忘れたいのに、忘れられない"
常に俺にはこの想いが交差して、年月が過ぎても変わることはなかった
探そうか、とも考えた
だけど探してどうする
もしかすると違う男と新しい人生を送っているかもしれない
そう思うと臆病になり、結局は何もすることが出来なかった
加奈子と別れて数十年が経ったある日、私に連絡が入る
“加奈子が亡くなった"と───
俺は職務を放棄して急いでそちらに向かった