年下の不良くん
「ホント、こんなのと付き合ってるとか、翔の株落とすだけだしねぇ
陰キャラは出しゃばるなって感じぃ」
昨日の女子が、鼻で笑う
それだけ言い残して、みんな去っていった
私は力が抜けたみたいに、へなへなとその場に座り込んだ
「……はは、手、震えてるし」
…大丈夫、間違ってなんか無い
これは、清水くんの為にでもある
さっき言われたすべての言葉が、ズキズキと心を痛める
それよりも、清水くんに何て言って別れようか…
少しの間、空を眺めて考えてみた
遠くの方で、授業開始のチャイムが聞こえる
私はケータイを取り出して、清水くんにメールを打った
【短い間だったけど、今までありがとう
好きな人が出来たので、私と別れて下さい】
送信っと…
震える手で、ボタンを押した
これで、私のこの想いは永遠に清水くんに伝えることはないだろうな
溢れそうな涙をこらえて、私は学校を後にした
そして、この返事は返ってくることはなかった──…