年下の不良くん

「いつまで“清水くん”呼び??」

耳元で囁かれて、ぴくりと肩が上がる

「俺、何気、呼び捨てで呼ばれんのずっと待ってんだけど??」

「えっ、あ、うん…」

そう頷いたが、急に呼び捨てでなんて、どうしたらいいかわからない

少し考えてから私は、口を開いた

「…翔、くん…」

「ふはっ!!
“くん”付けとかひさしぶり」

「やっ、だってっ…
いきなり呼び捨ては無理だよ…」

「うん、いいよ、それで」

ポンポンと頭を撫でられ、身体が離される

緊張した…

抱きしめられる事は、私たちにとっては珍しくはないが、いまだに緊張はしてしまう

目を細めて小さく笑う彼に、私も微笑み夕飯の支度に向かった

──…

出来上がった夕飯を食べ終わり、食器洗いの為キッチンへ

すると、私の後ろに、清水くんじゃなくて、翔くんも付いて来た

「どうしたの??」

「…何となく、離れたくなかった」

ふふ、可愛い事言うね

自然と口が綻ぶ、私

付き合ってから彼がここによく来るようになって、いろんな彼を知った
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