夏物語

エピソード1

10年前の、あの夏。






「暑いー暑すぎるー」


扇風機を強にして、窓はもちろん全開。


何もすることがなくてひたすらアイスを食べていた。

だらだらだらだら。



「アンタ、まだ寝てたん?」


パートから帰った私のお母さんは元関西人だ。


「たまには遊びにでも行ったら?」


「やだよー暑いもん。」



「夏は暑いもんやろ。そこでアンタにだらだらされる方が暑いわ。」


そんなこと言われても。



動きたくないもん。
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