夏物語
あづい〜。


蝉の声うるさい。


ごろごろしてて暇そうな私に母は『おつかい』という命令を下した。



私の家から一番近いお店は歩いて10分くらい。



ああ…なんて言うんだっけあれ…蜃気楼?が見えるよ。


「あら雛子ちゃん、おつかい?暑いのに偉いねぇ。」


私はもう17歳なのにやたらと子供扱いしてくるこのおばさんは、優子さん。


昔は凄いお水だったらしいんだけど、今は少し太ったどこにでもいそうなおばちゃんだ。


「優子さんこんにちは。暑いですねぇ。」



近所付き合いは良好である。
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