ましゅまろハート
「あ、あの……。

 素敵な名前ですね」


いきなり

なんて事を言ってんだろう、

俺は。


そう思いつつも

彼女はまたあのふんわりした表情で、


「そうですか?

 ありがとうございます」


と俺の言葉を受け止めてくれた。


それに完全に舞い上がった俺は

勢いのままに、

「美波さん、

 って呼んでもいいですか?

 俺、榊拓斗、

 タクって呼んでください!」

と身を乗り出しながら言った。


突然の事に

彼女の目が大きく見開いたが、

小さく微笑むと、

「はい。

 いいですよ、タク……トさん」

とこたえた。


「じゃ、美波さん、また来ます。

 毎日来ます!」


俺の言葉に彼女、

いや、美波さんは

にっこりと微笑んだ。


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