ましゅまろハート
そのままのテンションで

購買部のドアを開けた。


「こんにちは、美波さん!」


レジの近くの棚で

商品を陳列している美波さんに、

俺は意気揚々に声を掛けた。


「あ、タクトくん。

 こんにちは」


俺の顔を見るなり、

美波さんはにっこりと

微笑みながら返してくれた。


このやりとりでおわかりの通り、

俺は美波さんに

“タクトくん”

と呼ばれている。


俺としては不本意だが、

美波さんにとっては

これが精一杯ってトコだろう。


そう納得させている。



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