光の射す方へ




「美月さんっていう人に連絡しました。」




郁美の口から出た名前に、私はハッとした。



郁美の手には、私の携帯が、握りしめられていた。



「歩太には!?歩太には知らせてないでしょっ!?」


郁美は、静かに頷いた。



「ありがとう・・・。」


「美月さん、もう今日の朝には、来ると思います。
歩太さんには、知らせない様に、頼んでおきました。きっとリカさん、知らせて欲しくないと思ったから・・・」



郁美、ありがとう。
私の携帯を見て、歩太がパパだって分かったんだね・・・。


まだ少ししか、一緒にいないのに、私の気持ち、分かってくれてたんだね・・・


ありがとう。





美月・・・、怒られちゃうかな?


ちゃんと、話さないとね・・・





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