地球の三角、宇宙の四角。
病院に向かう車の運転中に、庄谷奏多は何度も事故りそうになった。

最初は、確認もせずに左折をして女子高校生の集団をひき殺しそうになった。あと数秒女子高校生達が早かったら、僕がもう少し遅かったらと思うとぞっとする。ドンピシャのタイミングの映像が庄谷奏多の頭をよぎった。バンパーを凹ませ、ボンネットに乗り上げ、さらさらの髪が舞、フロントガラスにゴツリと当たる。タイヤに巻き込まれる黒ストッキングの足、ギャーという声。

ほんとうによかった。他の誰かと、もしかしたら今後、自分ともセックスをするのかもしれないなんて、こんなときなのに不謹慎にも思った。


< 176 / 232 >

この作品をシェア

pagetop