奇跡事【完結】

「そんな程度の魔法で、その蔓は燃やせないわ」

「何が目的だ!?プリルを離せ!」

「……貴方も綺麗な瞳ね」

「っ!」


そいつは下唇を一度、ペロリと舐める。
ゾクリと体が震えた。


それから、ゆっくりとそいつの手がプリルの顔へと伸びる。
その手はどんどんと上へと進んでいき、コパルトブルーの瞳の前で止まった。


「……や、めて」

「何、する気だ。やめろ!やめろ!くっ、くそっ!」


絡み付く蔓を俺は引き千切ろうと、手で掴むが俺の力では到底千切れそうにない。


「ふふ、無力ね。その瞳を持っていようとも、私からしたら貴方は赤子同然」


瞳の前で止まっていた手は、ゆっくりとその瞳に近付く。


「やめろっ、やめてくれ!!」

「い、やあああああああ!!!!」


断末魔の様な、プリルの叫びが辺り一帯に響いた。
俺の悲痛な叫び声なんて、掻き消されてしまうほど。


その光景を俺は茫然と見つめる事しか出来なかった。


ガクンっと、膝からその場に崩れ落ちる。


「……、ぷ、りる」


ぽつりと、俺はそう漏らすがそれはもうプリルには届かない。

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