桜が舞い散る
私はたくさん泣いた。



「もお桜泣きすぎよ。
お母さん夜ご飯作るから。
ちょっと待っててね。」


そう綺麗な顔で笑いながらお母さんはキッチンに向かった。



「おいおい俺の事は無視かよ。」



そうだった。



居たんだった。



「あのー」



「桜ちゃんだよね?君の事は花から聞いてたんだよ?すっごく私に似た可愛くて綺麗な娘がいるって。」



そうだったんだ。お母さん私の事話してくれてたんだ。



それからはいっぱい話した。



そして私と同じ年の娘が居ることも話してくれた。



多分あゆみの事だと思う。



だけど私は何も知らない振りをする。



だって今までの事は私とあゆみの問題でこの二人には関係ない。知らなくても良い事だと思ったから。



だからこの事実は私達だけの秘密。



「ご飯出来たわよー。早く食べましょー」


そして久しぶりに私とお母さんは一緒にご飯を食べた。お義父さんも一緒にね。







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