『若恋』若恋編




麻酔。

効いているはずなのに彼女が痛いと泣く。

その声が耳に突き刺さる。





手術をやめろと、
苦しませるなと、
叫んで手術台から拐いたくなるのを必死で堪える。




見ていられない。

胸が張り裂ける。



「く、」



見ているだけで何もできない。
痛みを取り除いてやることもできなければ、成田の役に立つこともできない。


無力だ。






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