『若恋』若恋編
「―――俺が怖いか?」
彼女の反応が怖かった。
大神組の名は強大だ。
「ううん。怖いだなんてそんな」
「そうか、ならいい」
静かに首を横に振った彼女の頬を撫でた。
「本当に俺が怖くないか?」
「うん」
怖くないよ。
ずっと優しくしてくれてたもの。
彼女と両親が微かに笑みをうかべた。
大神の俺に大事な娘を任せると。
ヤクザと知っても尚任せていいと言っている。
本当にいいのか?
「大神さんになら安心して任せられると思いました」
「………」
「よろしくお願いします」
彼女の両親が穏やかに微笑んだ。
―――運命の
運命の歯車が回り出す。