純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
 私の魅力の有無はどうだっていい。ただ、一般的な男性なら多少なりとも何かしらの言動を見せると思うのに、桐生さんの場合はあまりにも無反応すぎて……。

 決して、桐生さんに襲われたかったわけじゃない。というか、犯罪者に襲われるなんて死んでもお断りだけれど……。

 でも、桐生さんはそんなそぶりは一切なかった。無表情で、無反応で……今まで気が付かなかったけれど、とても冷たい目をしていた。

 嫌なものを見る冷たい目じゃなくて、何事にも興味がないような……すべてを遮断している冷たい目。

 あの目に私はうつっていた?桐生さんの言っていた“愛している”は本当?信じても……いいんだよね?

 もし、桐生さんの言っていた“愛している”が嘘だったら……。


 ──私はどうして桐生さんに誘拐され、監禁されているのだろう……?


 そう考えると、言い表せない恐怖が込み上げてきたんだ。


「あ、の……すみません。今の発言、忘れてください」


 長い沈黙に堪えられなくなって、私は謝った。けれど、桐生さんは黙ったままだ。
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