純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
 友人が創った、“何かあればこちらの電話番号まで”と書かれた、里桜の写真が載ってあるポスターを取り出し、差し出す。

 桐生さんは興味のなさそうにそのポスターを受け取った。


「……分かった」


 一応、承諾はしてくれた……みたいだけど。


「どんな些細なことでもいいんで、よろしくお願いするッス」


 ぺこり、頭を下げる。


 ──それから俺は、1時間くらい喫茶店にいて、桐生さんとたわいのない会話をしていた。

 桐生さんはやっぱり不思議な人だ。「どこを?」と問われれば、やはり雰囲気が……だろうか。

 冷たいと思わせる部分もあるけど、態度を見る限り過去に何かあったのだろう。それを追求する勇気は今の俺にはないが。


 ──ただ、時折見せる俺を睨むような鋭い目付きが、不快でならなかった。
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