純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー

「だから、まだ篠原里桜の隣で生きていたいと思っているうちは、死神にしないし殺さないって言っているの!僕に刃向かおうとする人は、やっぱり愚かで面白いしねぇ」


 ……よく分からないが、ひとまずは助かった……のか?

 死神にはされないし、殺されることもないっていうことでいいのか?


「……嘘じゃ、ないんだな?」

「うん♪──さぁて、用も済んだし、そろそろ僕は去ろうかなぁ」

「待て。そういえばお前、名前は?」

「……名乗ってもしょうがなくない? どうせもう2度と会うことはないんだろうし」


 確かに、そうかもしれない。でも……。


「だからこそ、知りたい。一期一会なら一期一会だからこそ、知りたいんだ」


 子供はキョトンとした顔をした後、ふふっと小さく微笑んだ。


「やっぱりおにーさんは面白いね。僕は……僕の名前は、死神少年。僕に名前なんてものはないから、みんな、そう呼ぶんだ」

「死神少年……」


 名前がないって、どういうことだ? 都市伝説でいう、人面犬や口裂け女、トイレの花子さんと同じような名称っていうことでいいのか?


「──まぁ、一部の人は、僕のことを〝久遠〟だの〝小珀〟だのと呼ぶけれど。呼び方はおにーさんに任せるよ★」

「分かった」

「それじゃあね!守護者さん♪ちゃんとお姫サマを守るんだよ!」
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