純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
【一夜 Side.】


 愛する篠原さんのため、お願いされた時計やカレンダー、暇を潰せるもの……などを買って家へと帰ってきた。

 家の中はシンと静まり返っていて、まるで篠原さんがいなくなってしまっているかのような……そんな不安に駆られ、俺は買ってきた袋をその場に置き、慌ててリビングに向かう。

 ……よかった。

 篠原さんは、眠っていた。ベッドの上ですやすやと寝息をたてて、眠りについていた。

 篠原さんがいなくなっていないその事実に安堵するも、すぐに、胸が痛みつけられるような衝撃に襲われる。

 ……寝息をたてている篠原さんの顔には、流した涙の跡がうっすらと残っていた。

 ……篠原さんを泣かせてしまうつもりは、ない。

 むしろ、とても大切に思っていて、だからこそ拘束して……いつでもすぐに、守れるように。

 篠原さんには、ずっとずっと笑顔でいてほしい。だが、俺のせいで泣かせてしまっているのだとしたら、泣かせた分……俺は君に何をして償えばいい?

 外は危険だからこうして閉じ込めて……だから、君が外に出たいと願っても、危険だと分かっている外になんて、出させられない。

 そっと、篠原さんの流した涙の跡を消すように、自らの指で拭う。


「ん……」


 漏らした吐息でさえ、こんなにも愛おしい。

 分かってくれとは言わない。俺を見て、なんて言わない。俺はただ、君が傷付かなければ、それでいい。

 そう。

 それだけでいいんだ。
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