右手に剣を、左手に君を


「うらあああ!!」


健太郎の大音声が響く。


彼は炎をまとった布都御魂で、何度も玉藻に斬りかかる。


玉藻はそれを器用に受け止め、かわしながら、

その長い爪で健太郎の喉を狙っていた。


金色の目が、ぎらぎらと光る。


この前効かなかったせいか、余裕がないせいか。

精神汚染をすることも忘れている。


それさえなければ、彼らの力は互角だ。


しかし……。



ザシュ!!


「健太郎!!」



砂浜に足をとられ、少し動きが鈍くなっている健太郎を、

玉藻の爪が襲った。


服の袖が切れ、腕から指に、血が流れていく。


しかし、健太郎は攻撃をゆるめる様子がない。



「痛かねえよっ!!」



明らかにやせ我慢だったが、健太郎はそう怒鳴ると……。



「炎(ほのお)っっ!!」



剣から、火炎のかたまりを出し、

マシンガンのように玉藻を撃つ!!



「!!」



玉藻はとっさに、結界を作る。


火炎の弾丸はそこに当たって、爆音と煙を吐き出した。


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