†魔界戦記†


「カエンの奴
放心状態じゃねぇか!?
ミスト、何かあったのか??」


ハゼルの問いかけに
ミストは答えるコトができない。


「わからない・・・
走ってる時は
あんな状態じゃ
なかったから」


手を口に当て
心配を隠しきれないミスト。


「信じるしか・・・
ないんじゃないか?」


セイトが呟くが
もう本は読んでいない。
彼もまた強がってはいるが
心配なのだった。


「う〜ん・・・ムニャ」


トードは一人
寝息を立てている。


「カエンみたいな奴だな
こいつは・・・」


ハゼルが呆れながら
トードを見下ろし
そして闘技場に目を向けた。
< 59 / 163 >

この作品をシェア

pagetop