†魔界戦記†


「さて・・・
動けないと思うから
寝ながら聞いていろ」


近くの岩に腰を下ろし
カエンに向き直る。

刀は長すぎて
邪魔だったのか
腰から外して
手に握りしめている。


「刀・・・
使わなかったんじゃなく
『使えなかった』ろ?」


カエンは何が言いたいのか
さっぱり分からなかったが
また斬りつけられる
といけないので
黙っておくコトにした。


「お前には他のヤツにない
戦闘センスってのがある
戦いの中で気づき
最上の策を選べる」


口では説明しづらく
なったのか、ルシファーは
絵で説明を始めた。


「つまり、さっきの
化け物の戦ったとき
咄嗟に貴様は拳で
攻撃する事を選んだ
刀を出していたら
今ごろ・・・」


そう言って
遠くの地面を指差す。

そこには
変わり果てた元人間
つまり蓋骨が
死んだその時の状態で
放置されていた。


「それでだ
俺たちの修行方針だが
現在の魔力向上

もう一つの術の習得
としよう」


ルシファーの絵は
言い表せない程
ヘタクソだったが
大体は理解するコトができた。

しかし一つだけ・・・


「魔術を、覚える?」

















「魔術を覚えるん、ですか?」

聞き間違えと思ったのか
再度ミストが聞き返す。


「そうよ、その術はね
『創術』って言うの」
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