図書室から始まる彼女の初恋


「ごちそうさま♪啓。」

「俺もしようかなあ。」

燐も佳樹も喜んでいる。

おかしいでしょ!

こんな場面で
キャッキャッできる方がおかしい!

「桃奈、立てる?」

啓もにやつきながら
私に手をさしのべる。

エロいよっ!

いつも、いつも…

「―――っ、っ――」

その時、
微かに泣き声が聞こえた。

私達四人は
無言になり
顔を見合わせる。

私が図書委員一日目に
カウンターの死角で
カップルがイチャイチャしていた。

きっとそこに…

梨香さんが―――

私達のことを
ずっと見ていたんだ。

「そろそろ行こうよ♪」

燐が大きめな声で
声を発する。

「そうだね。」

佳樹も何か読み取ったのかすぐに了承し、
私が行きたかった本屋さんへ向かった。
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