うさぎ と くま の物語 (完)
 

そこに篠田センパイの落ち着いた声。


「…………もう、誤解されたくないから言うけど…」


「は、はいっ!?」


誤解…?


スルッと、篠田センパイの手が、私の手を離した。


「―――――片岡。………好きだ」


篠田センパイの真剣な目が、私をみおろす。


でも、私の口から出る言葉は、真剣さとは程遠かった。


「………………え?ええっ!?」


今……好き、って言った!?


いや、誰が、誰を!?


「………俺が、片岡を。好きって言った。」


篠田センパイは私の心を読んだかのように、言う。


せ、センパイが…


私を…………好きっ!?


うそ…うそ!!

 
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