うさぎ と くま の物語 (完)
 

「“――――こうして、うさぎの想いはクマに届き、仲良く暮らしていきました。”………終わり」


私は手に持っていた冊子をパタン、と閉じる。


「………おもしろいな。片岡の友達…」


隣にいる篠田センパイは苦笑い。


「何だこれ、って感じですよねぇぇぇ…。もう…」


私はしっかりと冊子になってしまった、さっちゃんの描いたマンガをパラパラと見る。


篠田センパイにも一応見せておきました…。


「……んーじゃあ、この話の続きは俺らで作っていこうな?」


にっと篠田センパイが笑う。


「―――えぇぇっ!?」


ずさっと私は後退りする。


いやっ、嬉しいんですが…あぁぁ…。


「甘いのと、しょっぱいのと、苦いのと、痛いの、どれがいい?」


「ひぃぁ!?」


突然の篠田センパイからの問い掛けだ!


ていうか、どんな選択肢なんですか!


にこにことして篠田センパイは私を見下ろしてる。


私は変な声を出してしまうほど、テンパってるというのに。

 
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