うさぎ と くま の物語 (完)
―――ある日、怒鳴り声が柔道場内に響いた。
「気ぃ抜くな!少しの油断が命に関わるんだよ!」
………いつも寡黙に練習をしていた大きな人…この時は篠田センパイの名前は知らなかったんだけど…の声だった。
柔道場内だけじゃなくて、外にいた私たちギャラリーにも、シーンと緊張した空気が張り詰めた。
「……外、走ってこい」
「――――はい」
怒鳴られた人が柔道場から出ていくと同時に、他の部員は再び練習を始める。
大きな人も。
「うわー…怖い人だね」
私の隣にいた友達が耳打ちしてくる。
「うん…ビックリしちゃったね」
私も同意する。