うさぎ と くま の物語 (完)
 

――みんなが再び佐崎センパイに夢中になった頃。


柔道場内から出ていく大きな人の姿が目に入った。


私は何でかわからないけど導かれるようにその姿を追って、柔道場の入り口に向かった。


そこには、大きな人と怒鳴られて出ていった部員の姿。


「…すみませんでしたっ」


頭を下げる部員。


それを見て、大きな人は厳しい表情で口を開く。


「わかってくれればいいから。これからは気を付けろよ?」


「はいっ!」


「―――うん。よしっ」


途端、厳しい表情がほどけ、笑顔が浮かんだ。

 
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