うさぎ と くま の物語 (完)

　
　　　　・・
「なに、クマ。余裕ないね？緊張…なんてしてないだろうし…何でかなぁ？」


「――――…」


佐崎センパイは何故か篠田センパイにケンカを売るように、言葉を放つ。


そして、篠田センパイは…佐崎センパイのことを睨んだ。


え…？


な、なに…？


何でいきなり険悪なの…！？


やだ、そんなのダメだよ…！


今から試合始まるのに！


私は訳がわからず焦りながらも、いつもの二人に戻って欲しくて口を開いた。


「ああああのっ！そう！笑顔ですっ！笑顔で敵を威嚇しましょう！ねっ、ねっ！？」


二人の視線が私を向いた。


必死に二人に向かって、笑顔を向ける。


お願い…いつもの二人に戻ってよ！