神様に私の全部を奪われた。【番外編】




「ん?どうしたんですか?」


「い、いえ…なんか昔しの話をしたら、扇李とのことを思いだして」


「…扇李様との、ことですか?」


「はい、扇李との出会いとか…色々と苦労して、泣いたこととかです」


「……へ?」


苦労したこと?泣いたこと?あんなに、ラブラブな感じなのに?


「そんな、苦労だなんて…とても、甘い雰囲気で溢れてますよ?」


「え?」


私の言葉に顔を赤くそめ、照れたように笑う


「そ、そんなこ…と」


「見えました。仲がよくて…すれ違いとか、喧嘩とか…しないんじゃないですか?思いあってるって感じです」



そう言うと、沙優さんは苦笑いしながら、頬を触る


「そんなことないですよ…毎日喧嘩ばかりです」


「え?そんな、嘘です」


「う、嘘じゃないですよ!…その…扇李は心配性ですから、すぐ私のことになると仕事とか全部放棄して…それに対して怒るとすぐに不機嫌になって…口を聞いてくれないですし」



「ふふ、それ、沙優さんが大好きだからですよ。本当に…なんか、私達とは大違い…」


「え、凜さん?」



他人と比べるものではないけれど…羨ましい


僻みの感情をこえて、私も紫音さんと二人のように信頼しあえる関係になりたい


気持ちがあふれ、つい口を閉ざし無駄に紅茶をスプーンでかきまぜると


沙優さんも私と同じようにスプーンで紅茶をかきまぜる



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