神様に私の全部を奪われた。【番外編】




「……あ」



同じような行動に、不意に視線をあげると沙優さんはフワッと笑顔を私に向ける



「凜さん…もしかして、不安なんですか?」


「………っ」


「大丈夫ですよ。私も、出会った頃は、すれ違いばかりだったんですから。こんな風になれたのは、つい最近です」


「………」


スプーンをはなし、彼女はテーブルに頬杖をつき私をみつめる



「扇李…本当に、何事にもおいて強引だったんです」


「…あ…は…い」


「それでいて、自信過剰ですし、俺様で、我が儘で…気に入らないことがあるとすぐ顔に出て…他の神様がため息をつくほどの暴君」


「……」


うそ、扇李様…そうなの?

深く接してないけれど、真剣に話す様子からするに、本当にかなりの暴君だ



「しかも、最初に天界に来た時なんか…皆の前で服を脱がせようとするんですよ?それで、つい叩いたらプライドが傷ついたとか言って…その、無理矢理……え…と」


「……あ」



言葉を濁す沙優さんに、その言葉の続きがなんとなくわかった



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