冬の花
「灰色のパーカーにジーンズで
首に太陽みたいなネックレスしてたけど。」
美咲は元に戻ったのか
流れた涙を拭っていた
桜木くんはふぅっと息をして
私の頭をなでる
まるで“大丈夫”って言ってるみたいに。
「残念だけどそれは俺じゃない。
それきっと俺の兄だ。」
えっ。
桜木くんにお兄さんっていたの!?
そういえば桜木くんのことよく知らないや
美咲も同じようでぽかんとしている
「そう。そっかお兄さんがいたんだ。」
安心したように呆れたようにため息をつく
「ごめん。突然告白なんかして。」
美咲はいつも通りの笑顔で少しおどけてみせた