冬の花
そして糸が切れたように口が開く
「私、優が好きなの!」
私はさっき以上に胸がドクンッと鳴る
美咲は何か吐き出すかのように
しゃべり続けた
「優が転入してくる前、遅刻しそうで
走って信号渡ろうとした時
ちょうど信号無視した車が通って
轢かれそうになった所を優に助けてもらって。」
美咲は少し涙を流しながら顔を赤く染める
私は不安になって桜木くんを見れば
うーんと顎に手をあて唸っていた
覚えがないのかな?
少し経って、はっとしたように美咲を見る
「その人、どんな服着てた?」
心当たりでもあるのかなぁ
不安が募っていく