いちごみるくちょこ
「斎藤龍!」


わたしは後ろから斎藤龍に抱きついた。


「永愛!?なんでお前・・・」


「はぁ・・・はぁ・・・だってッ・・・斎藤龍が待ってくれないんだもんッ・・・」


「かばん渡しただろ?じゃあ帰ればよかっただろ。」

斎藤龍は冷たい顔して言う。


「はぁ・・・斎藤龍に謝りたかったから・・・ごめんね・・・?」


ヤバイ・・・目が潤む・・・泣きそう・・・

なんでだろ・・・なぜか悲しい・・・


「お前・・・なんて顔してんだよ・・・」


「うるさいっ泣いてないもん!」


「そうじゃなくって・・・はぁ・・・もういい。

 それと別に俺が勝手に怒っただけだからお前悪くねーよ。泣くな。」


「だから泣いてないもん!」


「それよりお前息切れすごいぞ?大丈夫か?」


「んー大丈夫。もうおさまったから。それより・・・どうしてあんなに怒ってたの?やっぱりわたし悪いことしたんじゃない・・・?」


「・・・分からなくていい。じゃ、俺もう家すぐそこだから帰るわ。」


「え・・・?送ってくれないの・・・?」

わたしはこんなこと言ってしまった。


「ふーん。送ってほしいんだ?」


「べっ別にいいよ!1人で帰る!!!」


「意地はんな。送るから。」


「・・・ありがとう。」


わたしはこのとき斎藤龍がやきもち焼いて怒ってたなんてしらなかった。

次の日亜美ちゃんに相談したとき初めて知ったんだ。


そんなはずない、って思ってた。でも心の底で何かを期待してたんだ。
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