チョコレート
「あっ…えっと…」

突然のコトで言葉が出ない。
「僕はあまり好きじゃないんだ。ほらこの箱見て。」宮本さんは私の机の上にあったチョコレートの空き箱を手に取って言った。
「ここにさ、まるで本物の苺のようって書いてあるじゃん。でも箱の裏を見ると、苺らしきものは何にも入ってない。香料だけ。コレってなんだか騙されてる気がしない?」

私は心を読まれたような気持ちになって、喉の奥がきゅっと狭まってしまった。

「私も好き…じゃないです。」
< 7 / 28 >

この作品をシェア

pagetop